
イタリア・シチリア島は「マフィア」発祥の地!?シチリア島とマフィアの関係を調査!
長靴型の国の先、イタリア半島の西に位置する地中海一大きな島がシチリア島です。
イタリア・シチリア島と言えば、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。
レモン?青い海?美味しい魚介類?
こんな魅力的な部分を思い浮かべる一方で、イタリアの裏の顔、「マフィア」が脳裏に浮かぶ方もいるのではないでしょうか。
そう、超有名な映画などでマフィアの発祥地としてその名を知られることになったのがシチリア島です。
名前だけは聞いたことのあるマフィアは、本当に現在も存在するのでしょうか?
存在するのなら、私達旅行者が気をつけるべきことが気になりますよね。
今回は、シチリア島を知るには避けて通れない、マフィアに迫ってみましょう!
1 そもそも「マフィア」とは?
マフィアと言えば、世界中にある組織的な犯罪集団全ての呼称だと思っていませんか?
実はそれは間違いなんです。
元々は、このシチリア島に実在した「ひとつの集団」のことだけを指す言葉でした。
シチリア島のマフィアがあまりにも有名になり、海も国も飛び越えて遠いこの日本までその名前を轟かせているのです。
日本では、世界中の治安を脅かす犯罪集団のことをマフィアと呼んだりしているのが現実となっています。
【日本人が思う、マフィアのイメージ】
- 外見はびしっとスーツを着こなしている
- ロングコートにハットがポイント
- 頑丈そうなアタッシュケースを小脇に抱えた男性
【メンタル面でのイメージ】
- 家族と組織を何よりも大切にしている
- 定められた「血の掟」によって所属する組織に忠誠を誓う
- 社会から恐れられる犯罪集団でありながらも、どこか一本筋の通った行き方
この様な姿を想像する方が多いかと思います。
果たして、想像しているようなマフィアは、そのイメージ通りで存在するのでしょうか。
2 マフィアの歴史を知ろう!
マフィアは大っぴらに表舞台には出ませんが、今もシチリア島に確実に存在する集団なんですよ!
しかし、シチリア島の人々は、日本人がイメージしているマフィアの存在をあまり怖がることがありません。
むしろ受け入れるような気持ちを持っているんです!
怖いイメージを持っている私達からすると、そんな風な気持ちを持てるのが、不思議ですよね。
それは、シチリア島の歴史とマフィアの関わりを考えれば腑に落ちる部分もあります。
マフィアの起源は19世紀以前まで遡ります。
マフィアはシチリア島の「農地管理人」や「農地監視人」、言わば土地を守る人々であったとされています。
シチリア島は地中海の真ん中に位置し、ヨーロッパや中東から土地を奪いに訪れる諸外国の勢力下に置かれることが多く、島民の生活は平和や安定とは程遠いものでした。
映画の中のような荒廃した世界の中でシチリアの人々は政治への不信感を募るばかり。
「自分たちのことは自分たちで決める」「土地も自分たちで守る」ために、マフィアは武装し、徐々に勢力を伸ばして行きました。
こうして何年もかけ、当時の貴族や警察なども取り込み、どんどん大きな組織となったのがマフィアの発祥です。
島民たちは自分たちの土地を守ってくれたり、争いの仲介を行ってくれるマフィアを徐々に頼るようになります。
同時にマフィアたちは、「自分たちは誇り高く男らしい、シチリアを守るシチリア人」だと言う作られたイメージを、島民に浸透させることに成功しました。
このマフィアの歴史が、自然と街に溶け込む現在のシチリア島への基盤が出来上がったとされています。
3 現在のマフィアは?
はるか昔、このようにして誕生したマフィア。
なんだかとても魅力的な存在に聞こえてしまいますよね。
しかし、イタリア政府やシチリア島民がマフィアの全てを受け入れているわけではもちろんありません。
発祥当時は侵略者から土地を守っていたマフィアですが、時の流れとともに私腹を肥やし、海外へも進出し始めます。
筋の通った組織だという幻想は消え去り、血の掟は守られなくなり、政府や一般人を巻き込んだ抗争を起こす存在へと変貌して行きます。
こうした事態を重く見たイタリア政府は「反マフィア法」を制定し、たくさんの構成員たちを逮捕してきました。
今現在でもマフィアを根絶しようとシチリアはもちろん、アメリカやその他の国々でも取締りが行われています。
【シチリア島民にとってのマフィアとは?】
シチリア島は今現在は、素晴らしい観光地として知られていますよね。
シチリアの人は、「シチリアでマフィアと関わらずに生きていくことはできない」と語ります。
それは攻撃をされると言う意味ではなく、「存在しているのを知っている」「普段の生活に影響はない」と言う意味です。
どれだけ警察の取締りが強くなろうと、マフィアの世界で名を馳せた人物が逮捕されようと、根絶させるのは難しいと感じている部分もあるでしょう。
しかし日常生活においては、マフィアによって支障をきたすことがない為、穏やかな生活が保たれています。
どこの誰がマフィアの構成員なのかは見た目では判断できません。
ビーチで、市場で、マフィアとすれ違うことがあっても、一般の人々と同じようにシチリアの街に溶け込んでいるのが現在のマフィアの姿です。
4 治安への影響は?旅行者が気をつけること
ここまでマフィアの歴史とシチリアの人々にとってのマフィアを簡単にお話してきました。
気になるのは、シチリア島の治安と私達旅行者にとっての影響ですよね。
結論から先に言ってしまうと、私達旅行者がマフィアに対して特別な警戒心を抱く必要はありません。
もちろん日本とは違いますから、スリやひったくり、軽犯罪には十分な注意が必要です。
マフィアと遭遇する確率より、身の回りのものを盗まれる確率のほうが遥かに高いのが今のシチリア島です。
夜間に細い道を歩いたり、泥酔するほど警戒心を解いてはいけませんが、それは多くの国で共通していることと言えるでしょう。
今現在のシチリア島で、マフィアが一般人やましてや観光客を狙って攻撃をすることはありません。
シチリア島では、マフィアの姿など忘れてしまうほど、のんびりした空気の漂うおすすめの観光地ですよ。
過剰な心配は無用です!
まとめ
現在も確かに存在するマフィアですが、私達観光客とは遠い世界の存在であると思っておいて大丈夫です。
シチリア島の大きな街には至る所に警官の姿がありますし、そこに住む人々も明るく陽気で観光客にもとても親切です。
決して怖い場所でも、避けるべき場所でもありません。
かつてマフィア抗争の中心地であったパレルモの街を歩きながら、目の前に広がる現在の安穏とした光景とシチリアの歴史について思いを巡らせてみてください。
マフィア映画の撮影があったロケ地も忘れずに見学してくださいね。
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